それは煌めきの8年間

東京アニメセンター in DNPプラザ | 企画展 第7弾『劇場版 プリパラ&キラッとプリ☆チャン ~きらきらメモリアルライブ~』プリティーミュージアム
https://animecenter.jp/plan/07_p-museum.html

女の子のキラキラ輝きたい気持ちを応援して来たプリティーシリーズ。
全てはここから始まったプリティーリズム・ミニスカートから、シリーズの礎を築いたアニメ「プリティーリズム」シリーズ、先代を継ぎ飛躍と層の拡大を決定づけた「プリパラ」シリーズ、そして新たな煌めきの継承者「キラッとプリ☆チャン」へ。
そんな8年分を一同に集める、ここ煌めきと想いの箱。

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シリーズ通しての存在となるめが姉ぇに導かれ進んだ先の通路には、ずらりと並ぶシリーズ各作品の概要とキービジュアル、上部には数々の場面写をスライド表示、下部には名台詞など。振り向けば壁一面にはキャラクターがびっしりと並ぶ。等身大までは行かずとも、その迫る "圧" は強いインパクトを来場者に与えた。

名台詞はあいらでなく、みあから始まる。
みあは同一存在でこそないもの、プリティーリズム・プリパラ両シリーズで登場し喋りショーやライブを行った、次元を超えてシリーズを繋ぐキャラクターとなった。ディアマイフューチャーを見ていなくてもアイドルタイムを観れば、みあは「全く知らないキャラクター」ではない。劇場版「キラキラメモリアルライブ」のディアマイフューチャールートでは、彼女にしか出来ないであろう繋ぎ方を繰り出しもしている。
シリーズを一堂に介したこのテーマの中で、先頭を切ってここまでを引き連れるには適役と言えるだろう。

なお壁には全キャラクターが完全網羅されているわけではない。「そのビジュアルを採用すると抜けるキャラがいる」のだが、名台詞欄でせれのんwithかなめのプリズムアクト「プリズムレインボーハリケーンマキシマム」での台詞が配置されるなど、向かい合い同士で一部補完しあっている箇所もある。

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「プリパラは好きぷり?」はプリパラ1期1話、4年越しのアイドルタイムプリパラ最終話で再び使われた。プリパラシリーズを締めくくる台詞としてはこれ以外にないだろうというチョイス。

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通路を過ぎるとあいら・みあ・なるが出迎える。このゾーニングが絶妙なバランスで、そのまま右折してプリリズコーナーに行けば3部作のプリズムスタァとして機能するし、左折してプリパラコーナーに行く時には「セインツの3人」として機能する、ちょうどその間に立っている。

プリリズコーナーではとにかく「実物」で攻め立ててくる。
今や入手出来ないであろう当時発売された数々のグッズなどがショーケースに収められ、3部作のそれぞれ1話台本や(ここには掲載していないが)アーケードゲームとしてのプリティーリズム企画書、プリティーリズム・オーロラドリームの番宣ポスターなど一般に流通し得ない貴重なものから、果ては元Prizmmy☆のかりんちゃんによる書道などわかる人だけしかわからないようなネタまで飛び出す。更にスクリーンで歴代OP・EDが延々と再生。
プリリズのコーナーは決して広くはないが、広くない=少ないではない。限られた空間で「様々な歩みがあったこと」を可能な限り凝縮した展示。

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プリリズにも増して物量で圧倒して来るのがプリパラ。プリパラアイドル名鑑の各ボードは1枚1枚に設定や服装・表情バリエーションがぎっしり詰め込まれ、これを丁寧に見ていくとかなりの時間を要する。2時間以上滞在していた来場者は決して珍しくない。非常に綺麗にまとまっているからか、「本で出して!」といった感想も多く耳にした。

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期間中2度入れ替えがあった衣装展示。こちらも実際にライブやイベントで使われた実物で、過酷なアクションに耐えうるだけのかなりしっかりした出来となっている。そんなものを着てあれだけ激しく踊ったり歌ったりするのだから本当に恐れ入る。コスプレを趣味としているからか、かなり熱心に撮影している姿も多く見受けられた。
プリパラとしては秋のライブがプリ☆チャン・プリパラ合同で開催予定で、その時ここで展示されたものを会場でもう一度目に出来るだろう。

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劇場版も場面写コーナーを展開。この企画展は全てを横断的にフォローするのだ。この中で飛び出すプリパラはディスク化されておらず、場面写さえも多く見かけることはない。
劇場1作目「プリズムツアーズ」の成功は、後にスピンオフ「キングオブプリズム」を生み、そこでプリティーリズムが一定の再評価を受けたことで今プリリズキャラを再展開させている下地にもなっている。

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ここまで散々物量で攻めておいて待ち構えているのが背景設定、アニメーション原画、キャラ初期案や設定指示書。原画は実物のようだ。キャラクター設定は名前どころか見かけさえも今と全く違うケースも多く、多くの過程を経て現在のキャラクターになったのだなと思うとこれもまたなかなか貴重な資料だ。プリズムストーンでの展示と違って今回は撮影フリーと大盤振る舞い。

初期案の横では、撮影禁止になっているがタツノコプロCG班によるモーション取りからCGライブが出来るまでを上映。こちらはアニメセンターが市ヶ谷にやって来た際の最初の企画展で上映されていたものと同じだが、初めて見た来場者も多かったようだ。

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そして現行となる「プリ☆チャン」と、過去作品をまとめて取り扱うプリティーオールフレンズのコーナーとなる。この2枚が向かいあわせで掲示されており、過去も今もまるっと一緒に10周年へ突き進む…それが今のプリティーシリーズだということを強く印象付ける。

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フォトスポット&メッセージコーナー。メッセージボードは当初壁1面だけが割り当てられていたものの、一切撤去されずに来場者が次々書き残していったことで壁3面を使える限り使うまでに至った。好きなキャラや感謝のメッセージ、ネタに走ったりなど、ここは製作者ではなく来場者の想いが沢山詰まる場所となった。

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映像の動画撮影と一部資料の撮影禁止以外を全て「写真撮影可・SNSアップ可」としたことで、来場者は消耗するバッテリーと戦いながら数多く写真を撮り、それが拡散され、初日はtwitterの日本トレンドにランクインするほど話題となった。当初行くかどうかを迷っていながら、タイムラインに流れる写真を見て行くのを決めた、というケースもかなり多かったようだ。

アニメセンターのスペースは秋葉原時代よりは広いがそれでも広大ではない。そんな中で2~3時間滞在はザラで撮影枚数も数百枚が続出するほどの物量で攻め、それが結果として「キラキラが詰まった」を見事体現した。

想い入れの分だけ、それを反射し輝かせてくれるような、そういう構造。
来場の感想もポジティブなものが多かったが、それはプリティーシリーズをそれだけ愛してくれたファンが多かったことの証拠でもあるし、そのようなものを製作陣が長きに渡り作り続け、こうして今回展示会に協力を惜しみなくしてくれただろうからだ。


非常に貴重な機会、ありがとうございました。

解き放たれる外見と抑圧

こんなものを目にした。

人は社会との接触で自分が定義づけられる。"かわいくなるワケのない自分という大前提" は、社会に抑圧され続けて "そうならざるを得ない" ことから来る諦めのようなものだ。
しかしVRは人間の感覚(主に視覚)をハックし、つまりそれは感覚の受容から成立する「自分と自分以外の関係」を根底から覆しにかかってしまう。自分を否定的に見るといったような都合の悪い部分もカットしてしまえる。関係性が変わることで、抑圧により生じていた "かわいくなるワケのない自分という大前提" さえも揺らげば、自分の主体性そのものも再構築を迫られる。
だから「かわいくなっていいかも」という潜在的欲求がここで芽を出すことになる。
とても面白い話だ。

元々この大前提は絶対覆らないものではなく、凄く頑張れば何とかならなくもなかった。女装とか、外観と中身の不一致から性転換するなどがそうだ。ただし社会は変わらず存在するし自分という外観も残るので、それと戦わなければいけない。打ち勝つだけのものを備えるには技術や時に覚悟もいる。
それに比べれば格段に「かわいくなっていいかも」の敷居は下がった。本当に。


この「俺が美少女だ!」というのはバーチャルYoutuberを抜きにしても確実に流れが来ていて、最近こんなのも話題になったりしている。

こちらは自分をかわいいと言ってくれる仲間が共にいる社会の実現である。元々2人同時だったのが4人になってしまった。これはヤバい。ちょっとまだ行けてないが是非とも誰かを道連れ…じゃなかった同士を見つけて行ってみたい。

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全員が全員「男に生まれて良かった」と思っているわけではないのだ。
おっさんにしてくれと頼んでもいない。ファッションも男の場合はぶっちゃけ女性の下位でしかない。男っぽい服を女性が着た場合とその逆での違和感を想像すれば一目瞭然だろう。
かわいくはなりたくても男として生まれたので社会が認めない抑圧は、人によっては意識しているかも知れないし無意識下でしかない人もいる(自分の場合は抑圧を意識している側にあったけど)。
別に性差を超えるまで行かなくても、VRの中なら若いとかってのもありだ。

大事なことは「気付き」にある。
感覚の受容から成立していることを忘れて、不変と思ってしまっていて案外そうではないことというのは、結構あったりもするものだ。そこから技術によって「気付き」を得ることは、自分の考えを変える手助けになるかも知れない。
社会に迷惑かけない範囲であればもっと自由でいいのよと技術が導いてくれるなら、それは正しい未来かなと思う。

この傾向、もっと流行って欲しい。

モノと共に生きる

BEATLESS アニメ公式
http://beatless-anime.jp/
■Analoghack Open Resource
https://www63.atwiki.jp/analoghack/

BEATLESSのアニメ放映が始まって2週。
アニメの率直な感想としては、作画面での省エネっぽさは否めない。動いていない訳ではないが、必要そうなところでコストをそこまで引き上げていないのでそう印象づけられる。省エネ作画でも楽しめる作品は幾らでも存在するが、これを作画が弱いからあかんと受け取る向きはあるだろう。まあそう思ってしまうなら仕方ない。
一方、脚本に関しては今のところ概ね良く出来ていて、地の文で幾重にも織り成し描写していく長谷せんせの文調にあって、原作から切り落とす取捨選択に大きな誤りがなくテンポが良い。何せ原作は649ページもあるので結構大胆に飛んでいたりするのだが、視聴しているとそれほど無理を感じることがなく驚いた。原作全14+1話に対し放映は24話あるので、この調子なら脚本面は心配なさそうかな? という気がする。
脚本会議にもアフレコ現場にも長谷せんせは参加しているそうだから、極度の解釈違いはないのだろうし。

ただこの脚本の取捨選択のセンスというのは、原作既読でないと比較しようがない。自分はアニメ化を「原作及びAnaloghack Open Resourceへの導入でありさえすればいい」と思っているが、未読勢はどう受け止めるだろう。脚本の良し悪しで追いかけるよりbuzzり具合でその時の覇権をどうこう言う層に多くを期待するものではないが、何らかの形で原作を手に取ったりAnaloghack Open Resourceへ踏み入る人が増えればなあと願う。
BEATLESSは入り口に過ぎず、その先が割と面白いことになっているからだ。

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BEATLESS世界の西暦2105年では、世界中にhIE(humanoid Interface Elements)という"道具"が普及している。その数は日本だけでも1000万体ということで、街中で人を10人見かけたら内1人は人間ではない。なのに見た目だけでは判断がつかない。
そんなhIEの行動は自律的ではなく、(人類を越えた知能を持つ)超高度AIの内の1体・ヒギンズが一括して担い、クラウドで制御をしている。なお人工知能に感情を入れ込むことは西暦2071年に否決されたという設定の通り、物語は最後までアンドロイドが道具であることが一貫される。
人間が頭捻ってもわからない論理で動き、感情を持たないのに持っているように見える人に見えて人でないモノが道を歩いていれば必ず見かけるレベルに存在するのは、現代人の感覚で言えばホラーそのものだろう。

この "実は危ない世界" というのはBEATLESSの外でより顕著になる。
同じ世界観を共有するSF短篇集『My Humanity』内「Hollow vision」では液状コンピュータが盗まれ、霧状コンピュータといったものまでが登場する。
またAnaloghack Open Resource活用の作例として2017年冬コミに長谷せんせが書かれた「電霊道士」では中国が舞台になっており、超高度AI・進歩八号が徳点と呼ばれるゲーミフィケーションを国民に徹底させ、その見返りとして死後に人格を高度AIとして残す…つまり超高度AIが霊界を作ってしまっている。隣の国に行ったら「あの世? 実在するんですよ」とコンピュータを指差して言われるとか、それちょっとというかだいぶ怖い。
その他Analoghack Open Resourceでの公開設定として「イギリスがメタンハイドレートを自動で集めようと超高度AI活用したら、生物系統まるごとひとつ作っちゃって中止になった」とか、「タンパク質と水を与えていればほぼ無限に大きくなる生体コンピュータ」とか、犯罪を行うための超高度AIが存在するかもだとか、ヤバい話がそこらじゅうに転がっている。

人類の尊厳も居場所さえも失われつつある世界観。驚くべきはこれを一定のルールを守ることで、二次創作フリーではなく一次創作として活用することを認める試みがもうとっくに始まっている点。自分のオリジナル作品だと言っちゃって良いということだ。BEATLESS(とスピンオフ「天動のシンギュラリティ」)ではその内の一部を、日本を中心に描いているに過ぎない。
長谷せんせ本人が作例作るだけでえらい面白いものが飛び出すので、触れる人が増えれば、ここからとんでもないものが飛び出すかも知れない可能性がある。
だからアニメを機にその先へと願っている。

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世界観の魅力とは別に、長谷作品の中で個人的にBEATLESSが最も好きである理由は、"機械に心を持たせるようなことはしない" まま人が人以外のモノを信じ続け最後にポジティブな答えがちゃんと出ているところにある。そういう関係性は大変憧れる。
人間不信が人格形成の根幹になっている自分にとって、少年期に信用出来る相手は人でなくパソコンだった。BASICプログラムやニーモニックを打ち、正しく打てばその通りに動いた。バグを引き起こしたり実行エラーが出る時は、大抵打ち込んだ人間の方が悪い。
学校に行けば非があるわけでもないのにいじめられたりもする中で信頼関係を築くのは難しく、家帰ってパソコンつっついている方がよほど安心出来た。

自分が生きている内にhIEのような存在と幸せな人生を過ごせるかってーとそれはちょっと難しそうなのが残念だが、人以外のモノをもっと信用出来る世界が少しでも早く訪れたらと思う。
人と人との関係より良い未来を選ぶことが出来るのであれば、人は人以外の知性ともっと手を取り合って生きて良い。BEATLESSはそのビジョンを示してくれたのだ。

新春港巡り

f:id:Yumeka:20180103120237j:plain新年のお出掛けは横須賀から。
そんなつもりではなかったんだけど、昨年は丸々来ることが出来ていなかった。陸奥の主砲が船の科学館から移設された直後に訪れたのは一昨年のこと。その時は砲まわりの整備が完了しておらず、全て終えた状態を見たのは今回が初めてとなる。月日が流れるのは早い。

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今回のメインの目的は記念艦三笠。普段は外からしか見ることの出来ない操舵室内を、この三ヶ日だけ扉あけますとのことで久しぶりに乗船した。しばらく見ない内に更新または新設された展示がいくつも見受けられ、少し雰囲気が変わった印象。特にVR日本海海戦は、単にパネル見るだけよりは介入出来る余地があって良い。

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海自基地の停泊状況はこのような感じ。正月ということもあって長浦港も含め停泊数は多いことから、軍港巡りも久しぶりに参加することにした。この日は強い北風で、年末年始特別運行の猿島航路が取りやめになってしまったほどだったが、夏にガスったりしているのを見るよりかは全然気持ちが良い。寒かったけど。

f:id:Yumeka:20180103135315j:plain艦番号303だった掃海艦はちじょう。海自最後の木造船が除籍されたのは半年前だ。いずれ見ることすらも出来なくなる。いつまでここにいることになるだろうか。

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軍港巡りを終えて歩いているうち15時になったので、居酒屋空母信濃で昼から酒を飲む。予定では昨年末までの提供だった限定メニュー「山城スペシャル(メンチカツ+うずらの卵の串揚げ)」は、艦橋の材料にまだ余りがあるとのことで頂けることに。

ここに書かれた台詞と共に山城がボス艦をなぎ倒した、艦これ2017年秋イベの最終海域は大変アツいものがあった。艦これは運命の軛を総力戦で切り開き未来へと生きて進む趣旨でイベントや台詞などが作られているが、その最たる例を見たのがレイテを舞台にしたこの前のイベだったと思う。藤田さんの演技はとても力強く、そして西村艦隊は成し遂げ、見事生きて全員帰還した。
見届けたからこそ、このメンチカツは食べておきたかった。ありがとう、信濃さん。

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横須賀(来訪数それなり)・呉(2回)・佐世保舞鶴と旧軍港都市を巡って思うに、もし「どこへ行くにも遠い」という条件で「かつて鎮守府のあった軍港」という目的で訪れるとすると、申し訳ないがその点では一番面白くないのが横須賀だと思う。
海軍工廠のあったかなりの部分は米軍が抑えてしまっており、鎮守府庁舎は現存しているが通常時は見ることが出来"ない"。1~3号ドックも米軍基地内であり、これを市外の人が見るとなるとかなりの倍率を抜けなければなら"ない"。普通に訪れることが出来る範囲では戦前の遺構もあるにはあるが多くは"ない"。かなりないない尽くしなのだ。

横須賀の場合は、かつて軍港だったというより「基地のある港街」くらいで留めておいた方が良いだろう。そういう向きで見れば面白い店も多く、1回では楽しみきれないくらいの魅力はあるし、横須賀市もあの手この手で観光客を誘致出来ないかと積極的に手を打っている。一応イベント状況はチェックし続けてはいるので、何らか理由をつけて訪れたいつもりはある。


そういえば今年は3年に1回の観艦式だ。倍率は厳しいけど一度くらいは当たりたいものだなあと、軽めの横須賀再訪をしつつ思ったのだった。

行け年来い年2017-2018

2017年の主だったことも概ね終わったので、個人的に印象深かった出来事を振り返る。

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ワルキューレマクロスΔ

2017年は「マクロスΔの世界展」のチラシを貰いに池袋パルコへ行くことから始まっている。

2016年4月以降はワルキューレを集中的に推す期間となっていて、その経緯は以前表のblogでまとめた通りだが、この企画展はその中で集大成となる2ndライブと連携を取る形で開催された。
その圧倒的な熱量で魅了してくれたワルキューレの活動も、2ndライブをもって終わるものと思っていた。そこから後ろの予定が何もなかったからだ。終わって欲しくなかったが、終わる覚悟でいたと言った方が正しい。

しかしながらその予想はどうにか外れてくれたらしい。2ndライブの様子をいち早く見られる機会として4月にワルキューレカフェが原宿に期間限定でオープン、公演から4か月という短さで2ndライブの円盤が発売。その後劇場版マクロスΔの製作と3rdライブの開催が発表され、これらとの連動企画としてスカイツリーでの大型コラボ決定するなど、結局2017年もワルキューレの話題が大きく途切れることはなかったのだ。実に素晴らしく、喜ばしい。
劇場版を終えると本格的に大ネタがなくなり、マクロスシリーズが次回作にシフトしていくと思われる。シリーズ最高の総合力を持っていると(ワルキューレのことを)自分は評価しているので、今一度「瞬間、完全燃焼」の気概で参加したい。

そういえばこの前のANIMAX MUSIXで、初めてJUNNAちゃんの歌声を目の当たりにして度肝を抜かれた人が多数だったようだが、「驚異の17歳」ではなく「もう17歳」だ。いけないボーダーラインを収録した当時、彼女は14歳だったのである。年齢不相応と評される期間は短い。その間にチャンスを掴み、より一層大きく羽ばたいてくれることを願うばかりである。


BEATLESS

5年前に本が発売された長谷せんせの作品が10月のマチアソビでアニメ化発表。これについても経緯は以前まとめている。
alpha碁に代表されるような数々のニュースの影響もあり、AIが人の領域を奪う可能性や、人との関係について話題になることが5年前より格段に増えた。本作はそこを集中的に掘り下げている物語で、あるひとつの「かたち」に決着をしている。現実の未来がどのようにAIと距離を持つかはわからないが、これからを考えるためのヒントが満載であることから、未来のための必読の書のひとつと言って良いだろう。

アニメ化においては原作のラストまで描かれることが決定しているそうだ。ただ物語をわかりやすくする狙いから構造は幾らかシンプルになるとのことで、他媒体へものを移すということはそういう制限がつきまとうものでもある。
どのくらい成功するか、はたまた全く話題にもならないかはわからない。それでも原作が今という時代に必要な著書であることは変わりなく、自分が長谷せんせの大ファンであることも変わりない。
来年はアニメ化というタイミングをキーとして、本作およびアナログハックオープンリソースに言及することが増えることだろう。


DJMAX RESPECT

これもこの前少しまとめたが、あの後すごいことになった。
このゲームに収録されている曲はDJMAX portable1と2から来ていて、元になったPSP用ソフトはそもそも日本用として発売されていない。RESPECTは正式にローカライズされたものだが、ローカライズというものは大体開発元の本国で出た後それなりに遅れて出るもので、RESPECTも例外ではなかった。パッケージは3か月遅れたし、楽曲パック第1弾:Trilogy DLCも本国提供から2か月ほど遅れている。
ところが楽曲パック第2弾:CLAZZIQUAI EDITION DLCでなんと日本側の提供が本国に追いつき、DLCが販売済地域全てで同時提供となった。更に(映像が政治的にマズすぎて)「伝説の削除曲」とまで言われたDJMAX portable1からの唯一の未収録、dreadnoughtがムービー差し替えで復活。ここに本当の意味でDJMAX portabe1&2の全曲復活が果たされた。RESPECT発表当初、誰がこの全曲復活を予想出来ていただろうか。ほとんどいないと思うけど。

ローカライズが本国と差がないということは、開発元とローカライズ側の関係が良好以上で手を取り合い進めていることの証だ。開発元もRESPECTの名に恥じないよう、諸問題を解決し後から曲を復活させてくるような根気強い努力を続けている。リブート作品のお手本でありつつ、これほどローカライズに恵まれる機会は珍しい。
RESPECT以前だったら「どうせ無理だろう」みたいに、あまり希望を持たず見守るしかなかった。今はそうではない。それはRESPECTが目に見える形で結果を出して来たからこそだ。来年も続く楽曲パックの提供で、1曲でも多くこのRESPECTに過去の曲が集まることを願う。
あの開発チームなら、それに近い結果は必ず出してくることだろう。そういう信頼が今ならあると言える。


スターオーシャンシリーズ

これもリブートの見本と言える展開が2017年に起きた。
昨年12月にスマホ向けでリリースされた「スターオーシャンアナムネシス」がそこそこ調子良いのか、これをシリーズの現行軸として悲願とも言えるスターオーシャン3の移植が実現、更にスターオーシャン4までもがPS4にやって来た。今、ナンバリングは2を除いた4作がPS4一台で遊べる状況になっている。
スターオーシャンシリーズは3で一番遠い未来を描き、4でその始まりを描いたことで一旦完結した扱いされているのだが、今や休眠IPとは言わせない勢いすらある。

昨今、スマホに移行したままコンシューマに戻ってこないIPが非常に多い。利益を考えればそれは恐らく間違いではないのだろうが、それで本当に良いのかと考える自分にとっては、DJMAXスターオーシャンが2017年に見せた「過去の資産を大事に抱えたまま未来を向かおうとする姿」は、かなり理想に近いもの。
どちらも来年もこの延長線で行ってほしい。スターオーシャン的にはブルースフィアをリメイクするか、VP2を移植するとかであろうか。もしナンバリングの6作目を作るなら3より未来の話にして下さい。


■新生ファイナルファンタジーXIV

このエントリを投下して一週間後、最新拡張「紅蓮のリベレーター」が発売。
その後の状況としてはエントリで書いた当時から特に変わりはなく、「そこそこ」でやってるし「世界と自分の摺り合わせ」もやっぱりどこか残り続けているといった感じ。twitterであんまり言ったりしてないだけ。

ひとつ問題というか課題だったのが、今までLSが8人ぴったりで活動していたところに自分を含め人が増えたため、8人コンテンツをやるにあたって人余りが発生してしまったことだった。
出来れば自分は気心知れてる友人らと(どうせやるなら)やりたいし、末永く遊ぶならその方が良い。そこに「仲間を便利屋扱いにしたくない」といった受け入れ側の考えもあり話し合った結果、一部メンバー入れ替えの2チーム制を採ることとなった。
実際「毎週土日夜全部あけといて!」となると、自分の活動状況的にはかなり息が詰まってしまう。この提案は自分にとっても大変ありがたいもので、以後運用面で問題は…多分起きていない。

身内に関してはそのような形でうまく回っている現況だが、LSの外の知り合いとの繋がりはどうしても「8人コンテンツは決まった8人でやる」だとか時間が全然合わないだとかで折り合いがつきにくい。
FF11に長く身を置き続けている身としては、フレンド誘って「ちょっとあれ行こうぜー」みたいなノリをMMORPGに求めているのだが、新生FF14は仕組み上そうなりにくいのが実態だ。
4.25だかで実装のエウレカが「150人規模でテストした」とか言ってるし、FF11でいうところのアビセアに近いのだろうか。新しい遊びを提供するものであれば、LS外の繋がりの持ち方はそこに希望を持ちたいなあとは考えている。


■旅行

呉へ3年ぶりに行った。楽しかったし何年か置いてまた行くと思うのだが、「他人の運転するものでは景色を覚えにくい」「免許の類は持っていない」ことの限界点がハッキリ見えてしまったのが今年の旅行だった。レンタサイクル利用で移動範囲は大幅に拡大したもののチャリは山の多い港町に向かず、坂+長距離であることから断念した箇所がいくつかある。
写真を撮りまくる身としては歩きが最強なのだが距離は稼げないし、これ以上を目指すとなると自動二輪を取らなければいけないだろうか…と悩んではいる。どうするかは未定。
来年は行けるようなら本土復帰50周年を迎える小笠原を予定。あとはアニメ版BEATLESS放映終了のタイミングを狙ってマチアソビも。


■その他

良いこととしては、幾人かから美味しいお店に誘って頂く機会が去年より増えた。大変ありがたい話で、そのように考えてくれる相手方との関係は大切にして行きたい。

一方良くないこととして、30年近く前に左腕の橈骨尺骨を折った際に痛めた神経が歳のせいか、いよいよ日常生活に影響を及ぼし始めた年でもあった。暑さ寒さ関係なく、手首の曲がりがちょいちょい悪くなることがままある。怪我した以上これは仕方がないので、悪化させすぎないよう付き合うしかない。折ってからでは遅いが骨折はしないのが一番だ。

仕事面では、しばらく落ち着いていた「するべき事務処理が出来ていない」ことで怒ることが非常に増えた。面倒なので怒りたくないがそうせざるを得ないことが増えた。愚痴っても進まないのでそれなりに手は打ってあり評価もされてはいるので、多分来年は何らかの形で改善はしていくものと思う。

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自分個人の来年の展望は今年の延長線上だと思っている。独り身だしコントロールはしやすい方の筈だし。それよりも最近は周囲の変化が大きく、自分も周りも含めた全体で見るとかなり色々変わってくる時期に、今年辺りから差し掛かっているよなあとは実感しているところだ。
それぞれ相応に対処し、なんとか乗っかっていきたい2018年。出来れば、良いニュースが少しでも舞い込んで来ますように。