ミクロとマクロの間を繋ぐ

あと1ヶ月と少しもするとイルミネーションの季節がやってくる。
都市の景観にはミクロ的なものとマクロ的なものがある。イルミネーションは前者で、後者は高い所から眺めた時など。自分が都市景観として好きなのは前者で、理由は各々の構造物だ。構造物とはその「隙間に潜むロマン」なので、近くて良く見える方が良い。


そんなミクロな景観に彩りを添えるイルミネーションとは、つまるところ構造物に構造物をかぶせること。あの季節限定で都市にレイヤーがひとつ増える。その光は計算して配置され、計算された輝きを放ち、「隙間に潜むロマン」が増える。撮って回っている時は複数人組を非常に多く見かけるが、独り身で見るイルミネーションというのも十分過ぎるほどに楽しい。


しかしミクロな景観ばかり追いかけていると全体が繋がらない。
ここ最近自分の中で課題になっているのはマクロの方だ。日頃の移動手段に地下鉄が多いのもあって、生まれも活動圏も東京にありながらこのメガロポリスを知っているようで驚くほど知らない。都市はひとつひとつの土地と人の連なりで出来ているのに、地下鉄はそれを無視した動きで突然目的地に現出してしまう。便利ではあるのだが。
そのせいで目に飛び込んで来さえしないものが大量にあるのが今更ながら悔しい。繋げていかなきゃと思う。地図を見ていてもあんまり実感としては湧かないので高いところなり行って実際に確認しなければいけない。歩かないと覚えない。


それに、見ていても(当たり前だと思いすぎていて)見落とすことだってある。そういう損失のためには東京を離れて見直す機会も、もっと増やす必要はあるんだろうなと思う。今年は年2回旅行するつもりがうっかり機会損失して例年通り1回になってしまった。悔しいという感情自体が抜けていた時期がちょっと長かっものの、最近はそれが戻って来た感じがしているので、うまいこと活用したい。
何とかしたいな、というのが見えてくると時間って全然足りないなと改めて思ったりした。