新しい生活行動

不必要な私用での外出を控えて3ヶ月。
2月中旬から現在まで我が家における予防対策は一貫しており、急に何かが変わったりはしていない。個人で出来る限界での「ここまでやっておくべき」を最初の一手で殆ど打ち尽くし、同居する親がスーパーへ買い出しに行くのもその時から週イチまで抑え込んでいる。長年海外赴任している弟から入って来る情報で、今回の騒ぎが尋常ならざるものという実感が早くにあったからというのが大きい。

月イチで旅行に出ていた両親は、今年は旅行の予定をそもそも入れていなかった。母には昨秋に「2020年の春に客船クルーズでもどうか」と誘いもあったようだが、「理由はわからないけど何かとても嫌な予感がする」という直感があり断っていたらしい。
自分個人の予定は小笠原も含め、幾つも中止や延期なりは生じている。次で3回目になるはずだった小笠原については、元々2022年を予定していたところを2020年に繰り上げた結果の取り止めだったので、元に戻っただけのような気がしなくもない。

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この状態がいつまで続くかに対しては「当分続く」と当初から捉えている。身体に防御機構を備えていないのであれば、ヒトが媒体になっている以上「物理的に可能性を下げる」が現状の最善手であるのは当然のことで、従前に戻そうとすれば事態が悪化するのも当然のことだ。外国人観光客が戻るなどもっと先の話である。
何も考えなしに、何の備えもなしに「今日は出掛けるかー」と従前のように出来るようになるのは「以前ってどうだったんだっけ?」と思い出せなくなっている頃かも知れない。

今最も起きて欲しくないのは、自分のせいで親を不幸な目に合わせることにある。最も小さな社会単位は家族だ。だからそれを徹底して守る。だが対策に100%など存在しない。
息子の心配事として「出来る限りはするけど、起きてしまったら本当にごめんなさい」と2月上旬には伝えている。とりあえず今のところは無事らしい。

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さて必然的に家にいる時間が長くなる状況下、何か前向きになれる生活の改善点を探る内にふと気がついた。

「巣篭もり需要でノートPCの売れ行きが良くて品切れちょいちょい見るんだけど、家にいっぱなしならノートPCである必要なくない?」
「ノートPCをより快適にやるためにデカい画面やテンキーつきキーボードを外部接続する記事が掲載されるくらいなら、小型でいいからデスクトップにした方が良くない?」
「というかノートPCでデスクトップ並みにスペック求めると高くない?」

である。ノートPC最大の利点は機動性にあるが、今機動性があっても活用しきれない。だってヒトそのものの機動性に制限がかかっているんだもの。
これに対し自分のPC環境はというと、家ではずっとデスクトップPC+テンキーつきキーボード+マルチモニタを続けている。キーボードはテンキーレスが台頭してもテンキーつきを維持し続けた。マルチモニタは13年ほど前にWUXGAを導入した時から。PC本体はLightroomが重すぎてやってられなくなり、3年くらい前に買い替えてまだまだ好調。マウスは仕事も自宅も多ボタン運用で、ゲームに使わなくても多ボタンマウスは大変便利。

「今新しい生活行動を始めるのに、ノートPCは無いな」という結論に(個人的には)なった。タブレットiPad proがあるしノートPCの完全代用まで行かずとも大半は賄うことが出来る。スマホはどっかのタイミングで機種変したいが急ぎではない。
そんなこんなで、この騒ぎ以降買い足したPCまわりの環境と言うとwebカメラ関連しかなかったりする。

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目下の検討事項は一眼の方のカメラだろうか。
ここのところ5時には起きて仕事しているので、以前だったら夕焼けを見ながら事務をしていたのが、今は手が空いた時間に夕焼けを見ている。
今回の件に限らず、景気が悪かろうが空は空のままなんだよなーとよく見上げていたのを思い出した。人間の右往左往などつゆ知らず、雲はいつだって雄大で空は青く夕焼けは赤い。その向こうに何があるわけでもないが、「何かあるような気にさせてくれる」ことが、心の助けになったことは確かに何度もあった。

以前から検討はしていてまだ買っていない超望遠。
自宅近辺は空が広く、家もテラスが充分に広いため三脚を構える余裕がある。人間の代わりに少しでも遠くに手が届く手段になってくれるなら、今こそが買うべきタイミングなのかも知れない。
同じ形の雲も、全く同じ日常も、二度とやってはこないのだ。