距離

今年の初めに買った国産カカオによるチョコレート「東京カカオプロジェクト」から、メールマガジンが届いた。
(※公式WEBにメルマガの内容は反映されていない)


メールには今年の生育状況を見る折田農園の方が写った写真も添えられている。「今年もカカオが順調に花を咲かせ、メインの収穫期を迎えようとしている」とのこと。収穫期は5月と11月なのだそうだ。

小笠原諸島母島で唯一収穫出来るようになった東京カカオ。自生では育たずハウス栽培するにも重機を本土から持ち込む困難さで、発酵の工程だけでも研究に5年を要したとのこと。そんな苦労もあってか「これ本当にカカオ70%?」と思わせるような、かなり絶妙な酸味と風味を感じさせてくれる。手間暇かかった結果の1缶税抜3000円はどう考えても日常的に買う値段ではないが、しかし周囲の人間に食べさせてみても一様に驚いていたくらいには味わいが素晴らしい。

今は行くことが出来ないということもあり、そんな遠くにいる折田農園の皆様がひとまずは元気そうなのが何よりも嬉しかった。個人的に小笠原は好きなところということもあるので、今年も販売が始まったら買おうと思う。

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ところで昨年より続いていた英訳版BEATLESSの連載が無事に全話完了し、電子書籍としての刊行を開始したようだ。

 
同作の英訳プロジェクトはアニメ化及び文庫化以前に一度中断しており、昨年夏に事実上の再始動が行われている。ラノベを英訳し展開するJ-Novel Clubとはこんなやりとりをした。

普段ほとんど日本語での応対はしないアカウントなので、突然日本語で返事が来たことに超びっくりしたのを覚えている。本当に好きな小説は、"公式見解" としてどういう英訳になったのかを知っておきたいものなのだ。プロジェクトが完遂され大変めでたい。
配信先によっては普通に日本から購入可能で、日英並べて読み返し中。

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超高度AIのような知性的に人類より上が既に地球に存在する世界、または小説「<harmony/>」のように人類から自意識そのものが消滅した世界。そういう世界も悪くはないかもねと、近頃思う。その方が合理的に物事が進むからだ。
人の行動は良くも悪くも身勝手であり、制御が必要な時ほど制御しきれない。いや、「仕方ない」で済んでいる内はまだマシだ。「仕方ない」時期を抜けた時、その身勝手な行動は更にどうしようもなく制御のつかない事態を生み出すのだろうと思う。そしてそれはずっとずっと、長く引きずることになる。
しかし残念ながら超高度AIも人間から自意識が消滅する世界も、そんな近々にはやって来ようがない。


悪意や差別、格差渦巻く地球上の全てという意味での世界を、指導者でもない個人がどこまで把握している必要があるだろうか。実はそれほど必要なものは多くないのではないかと感じつつある。

距離感的な意味では、やっぱり必要とする時だけ下界に降りるような、隠れ家生活が理想かも知れない。自分に関係する人たちがそれぞれの場所で、みんながそれぞれに元気でやっているのが何らかの手段でわかれば、それでもう良いような。
現実に隠れ家的なもの目指すと、食い扶持の維持が超難関なんだけど。そんなことを薄らぼんやり考えつつ、今日も部屋の整理整頓は進む。